1区間ずつ進む
海外のサイトに届くまでの道
海外のサイトを開いたときの代表的な道を、手元から順にたどります。
あなたのスマホやパソコン

URLを開くと、端末は相手の場所を調べ、通信の小さなまとまりを送り出します。
家や職場のルーター

Wi-Fiやケーブルを通って、まず家や職場のルーターへ進みます。
国内のネットワーク

回線事業者やプロバイダーのネットワークを進みます。相手が国内にあれば、海を渡らずに届くこともあります。
陸揚げ局

海外へ向かう通信は、国際的な接続点や、海底ケーブルが陸に上がる陸揚げ局の方向へ進みます。
海底ケーブル

海底ケーブルなどの長い道を通って、国や地域をまたぎます。
海外のネットワーク

海を越えたあとも、相手の国や地域の通信事業者やデータセンターなど、いくつものネットワークをつないで進みます。
海外のサーバー

データセンターやクラウドのサーバーに届きます。返事も、また道をたどって画面まで戻ってきます。
いつも同じ道を通るとは限りません。よく使われる画像や動画は、近い配信拠点(CDN)から返ってくることもあります。
海外サイトを見るとき、画面ではURLを入れてページを開くだけに見えます。けれど実際には、画面のむこう側で複数のネットワークがつながり、相手のサーバーまでデータを運んでいます。Webページを見る仕組みと、その土台の通信網は、Webとインターネットの違いで分けて確認できます。
この先では、第37話「国をまたぐ通信はどこでつながる?」の世界地図をたとえにしながら、海外サイトに届く道を順に見ていきます。
TERM PRIMER
先に知っておく言葉
国際的な通信網はどのように利用されているのか
国際的な通信網は、国の中のネットワークだけで完結しない通信に使われます。「何のために使うか」と「どんな道を通るか」を分けて見ると、全体がつかみやすくなります。
何のために利用されているか
わたしたちが毎日ふれている場面には、次のようなものがあります。
- 海外のサイトやニュースを読む
- 海外のサーバーにある動画や音楽を再生する
- クラウドサービスに預けたファイルを開く
- 海外にいる相手とビデオ会議や通話をする
- オンラインゲームで海外のプレイヤーとつながる
- 決済や予約の情報をやり取りする
見た目はどれも別のサービスですが、中身は同じ形です。海外にある相手のコンピューターへデータを届け、返事を受け取る——国際的な通信網は、そのやり取りを成り立たせるために利用されています。
どんな道を通るか
海を越える道の具体例は、海底ケーブルの仕組み を横に置くと見えやすくなります。海外のサーバー、海外のクラウド、海外の配信拠点などへ向かう場合、通信は国や地域をまたいで進みます。
代表的な流れは、冒頭の「海外のサイトに届くまでの道」で見た7つの区間です。端末からルーター、国内のネットワーク、陸揚げ局、海底ケーブル、海外のネットワークを通って、サーバーに届きます。
実際の経路は、サービス、契約、時間帯、地域、CDNの有無によって変わります。いつも同じ一本の道を通るとは限りません。
ユイ
海底ケーブルで海を越えたあと、通信はどうやって相手の国の中を進むんですか?
ピコ
国境で一つの大きな線になるのではなく、いくつものネットワークをつないで進むんだ
イト
世界地図の上で道案内を見る感じだね
海外サイトに届く基本ルートと流れ
海外サイトを開くとき、最初に画面へ見えるのはブラウザとURLです。その裏で、端末は相手の場所を調べ、通信の小さなまとまりを送り出します。
国内のネットワークを通ったあと、海外へ向かう必要がある通信は、国際的な接続点や陸揚げ局の方向へ進みます。そこから海底ケーブルなどの長い道を通り、海外側のネットワークへ入ります。日本側の陸揚げ局が実際にどのあたりにあり、なぜ一か所に集めていないのかは、海底ケーブルは日本のどこに上がるか で立地ごとに整理しています。
海外側に入ったあとも、すぐに目的地へ着くとは限りません。相手の国や地域のネットワークを進み、データセンターやクラウドの設備、サーバーに届きます。相手の置き場所については、サーバーはどこにある?で説明しています。

たとえば、国内の駅から港へ向かい、船で海を渡り、海外の駅から目的地の図書館へ向かうような道です。たとえでは移動の順番が見えますが、実際には通信事業者やサービス側の設計が組み合わさります。
海底ケーブルと陸揚げ局が国際通信をつなぐ
海底ケーブルは、海外へ行く大きな道です。けれど、海底ケーブルを抜けたあとにも道は続きます。海の道とは別に空を通る経路は、衛星インターネットはなぜ空から届くかで見ていきます。
海外側では、通信事業者、データセンター、クラウド、大学や企業のネットワークなど、さまざまなネットワークがつながっています。国際通信は、それらを一つずつ通って相手に届きます。
このとき、どの道を通るかは、通信の経路案内の仕組みで決まります。初心者の段階では、細かい技術名を丸暗記するより、「ネットワーク同士が接続し、宛先へ向かう道を選んでいる」と見れば十分です。

マコト
海外に着いたあとも、相手のネットワークの中を進むんだね
ピコ
そう。海を越える道と、国の中を進む道を分けると見えやすいよ
海外サイトでもCDNの近い配信拠点から届く場合
海外企業のサービスでも、毎回遠い国の本社サーバーへ行くとは限りません。
一つのページでも、文章、画像、動画がすべて同じ場所から届くとは限りません。近い拠点の控えを使う内容と、元のサーバーに確認する内容が分かれる場合があります。サイトの運営国、実際の配信元、通った経路は、それぞれ別の情報です。
よく使われる画像、動画、ファイルなどは、利用者に近い配信拠点から返される場合があります。この仕組みに関わる言葉がCDNやエッジサーバーです。
たとえば、海外の図書館にある本の控えを、日本に近い分館に置くようなものです。利用者は海外サービスを使っていても、実際に受け取るデータの一部は近い場所から届くことがあります。

そのため、「海外サービスだから毎回遠くて遅い」とは言い切れません。どのデータをどこから受け取るかは、サービスの設計や利用する環境によって変わります。
海外通信が遅く感じる理由
海外通信で遅さを感じる場合、原因は一つではありません。
距離が長いと、往復時間が増えやすくなります。これはレイテンシやpingの値に現れることがあります。海外ゲーム、オンライン会議、遠いクラウド操作などでは、返事の遅れが体感に出やすい場合があります。
ほかにも、次の条件が関係します。
- 海底ケーブルや国際回線の経路
- 途中のネットワークの混雑
- サーバー側の混雑やメンテナンス
- CDNや近い配信拠点の有無
- 家のWi-Fiやルーターの状態
- 端末やアプリの処理
国際通信だから遅い、とすぐ決めるより、どのサービスで、どの時間帯に、どの端末で遅いのかを分けて見る方が実際の確認に近づきます。
トラブル時に見る場所
海外サイトや海外サービスがうまく動かないときは、近い場所から順番に見ます。
| 見る場所 | 確認すること |
|---|---|
| 端末・アプリ | 別のブラウザや端末でも同じか |
| Wi-Fi・ルーター | 家の中の通信だけで遅くなっていないか |
| 国内回線 | ほかの国内サイトも遅いか |
| 対象サービス | 公式障害情報やメンテナンス情報があるか |
| 海外経路 | 海外サービスだけ遅いか、時間帯で変わるか |
利用者が国際回線を直接直すことはできません。けれど、自分の環境か、サービス側か、経路の可能性があるのかを分けると、むやみに設定を変えずにすみます。
国際通信確認ワークとクイズ
海外サービスを一つ思い浮かべて、次の空欄を埋めてください。
使っているサービスは、______です。
サーバーや配信拠点が海外にある可能性は、高い / 低い / 分からない のうち______です。
まず確認する場所は、端末 / Wi-Fi / 国内回線 / サービス側 / 海外経路 のうち______です。
答えの例:
- 使っているサービスは、海外のクラウドストレージです。
- サーバーや配信拠点が海外にある可能性は、分からないです。
- まず確認する場所は、端末とWi-Fiです。
Q1. 国際通信は海底ケーブルだけで決まりますか?
A. いいえ。国内ネットワーク、陸揚げ局、海底ケーブル、海外ネットワーク、サーバーなどがつながって届きます。
Q2. 海外サービスはいつも遠いサーバーから返事が来ますか?
A. いいえ。CDNや近い配信拠点から一部のデータが返る場合があります。
Q3. 海外サイトが遅いとき、最初に何を分けますか?
A. どの端末、どのサービス、どの時間帯で遅いのかを分けます。家の環境とサービス側、経路の可能性を順番に見ます。
国際通信から次へ進む記事
国際通信は、世界をまたぐ一本の魔法の線ではありません。国内の道、海の道、海外側の道、サーバー側の設備がつながった結果です。画面のむこう側の地図を分けて見ると、海外サービスの遅さやつながり方も落ち着いて考えられます。
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自分の言葉で説明してみよう
「国際通信を、国内ネットワーク、海底ケーブル、海外ネットワーク、サーバーに分けて説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。




