仕組みを知る

インターネット海底ケーブルとは|海外通信を支える海の光ファイバー

インターネット海底ケーブルは、国や地域をまたぐ通信を海底の光ファイバーで支える重要な通り道です。海外サイトへの経路やレイテンシ、衛星通信との違いも整理します。

インターネット海底ケーブルとは|海外通信を支える海の光ファイバー

30秒でわかる答え

インターネット海底ケーブルは、国や地域をまたぐ通信の多くを、海底の光ファイバーで運ぶための重要な通り道です。

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

海底ケーブル
国と国のインターネット通信を海の底でつなぐ大きなケーブルです。
光ファイバー
光の信号で大量のデータを遠くまで運ぶ細いケーブルです。
国際通信
国や地域をまたいでデータをやり取りする通信です。
レイテンシ
データが届くまでなどにかかる遅延時間です。片道・往復など、測る区間を分けて考えます。
サーバー
データを保存したり、ほかの端末に届けたりする役割を持つコンピューターです。
CDN
世界中の近い場所から画像や動画などを届けやすくする配信ネットワークです。

海外のWebサイトを開く、海外のクラウドサービスを使う、世界中の人と動画やメッセージをやり取りする。そうした通信の画面のむこう側では、陸の回線、データセンター、海底ケーブル、海外のネットワークがつながっています。

本編では、第34話「海外のサーバーへ行く道はどこ?」の海底ケーブル港をたとえにしながら、海の下を通る通信の道をたどります。

海外サイトへ向かう道の流れ

海外のサーバーへ通信するとき、端末から出たデータは次のような道を進みます。

  1. スマホやパソコンから、家や職場のルーターへ進む
  2. 回線事業者やプロバイダーのネットワークへ進む
  3. 国内の大きな通信網やデータセンターへ進む
  4. 必要に応じて、海底ケーブルの陸揚げ局へ進む
  5. 海底ケーブルを通って海外側へ出る
  6. 海外のネットワークを通ってサーバーに届く

実際の経路はサービスや環境によって変わります。CDNやエッジサーバーが近くにある場合、海外の本館まで行かず、近い場所にある控えから返事が来ることもあります。

たとえば、海外の図書館にある本を毎回船で取りに行くのではなく、よく使う本だけ近くの分館に置いておくような考え方です。

イト、ユイ、ピコが、手元の端末から海外側のサーバー棚へ進む小さな通信ルート模型を見ている
海外サイトへの通信は、家の中から国内の道、海の下の道、海外側の設備へ順番に進みます。

海底ケーブルの役割

光でデータを運ぶ基本は、光ファイバーの仕組み を先に見ると理解しやすくなります。家庭のWi-Fiのように電波で海を越えるのではなく、光信号を細いファイバーの中で進めます。

海底ケーブルは、国と国、島と大陸、地域と地域を結びます。ケーブルの両端には、陸に上がるための設備があります。そこから国内の通信網やデータセンターへつながり、海外のサーバーとのやり取りを助けます。

見た目は利用者の画面に出ませんが、海外サービスが自然に使える背景には、この長い道があります。

海底ケーブルと衛星通信の違い

「海外と通信するなら、衛星で飛ばしているのでは?」と思う人もいます。衛星通信もありますが、インターネットの大きな通信量を支える道としては、海底ケーブルがとても大きな役割を持っています。

違いを分けると、次のようになります。

通信の道特徴
海底ケーブル光ファイバーで大容量の通信を運びやすい
衛星通信陸の回線を引きにくい場所や移動体などで役に立つ
陸上の光回線国内や大陸内の通信を広く支える

どちらがいつも上、という話ではありません。場所、目的、費用、遅延、必要な容量によって向き不向きがあります。普段のWeb、動画、クラウドサービスでは、海底ケーブルを含む光ファイバー網が重要な土台になります。

イト、マコト、ピコが、海の下の光の道と空を回る衛星の通信路を並べた模型を見比べている
海の下の道と空の道は、場所や目的によって得意な使い方が変わります。

マコト

空の道だけで世界中の通信をしているわけではないんだね

ピコ

うん。海の下にも、見えない大きな道路があるんだ

光ファイバーと陸のネットワークの役割

海底ケーブルは、海の中だけで完結するものではありません。陸に上がったあと、通信は国内のネットワーク、データセンター、クラウド事業者の設備へつながります。

家庭の光回線も、海底ケーブルと同じように光ファイバーを使う場面があります。ただし、家の壁から見える回線と、国際通信を支える海底ケーブルは規模も管理も違います。

ひとつのケーブルだけで全部が決まるのではなく、多くの設備がつながって通信の道を作っています。

距離とレイテンシへの影響

海底ケーブルで海外へ行けるとしても、遠い場所との通信には距離があります。データは光信号として進みますが、地球の反対側へ行くような通信では、国内通信より往復時間が長くなりやすいです。

この往復時間の感覚が、レイテンシやpingに現れる場合があります。ゲームの反応、オンライン会議の声、遠いサーバーへの操作などでは、遠さが体感に出ることがあります。

ただし、距離だけで速度や快適さが決まるわけではありません。途中の混雑、サーバーの状態、CDNの有無、Wi-Fiの状態、端末の処理なども関係します。海底ケーブルは国際通信の大きな道ですが、遅さの原因を考えるときは他の条件も一緒に確認します。

イト、ユイ、マコト、ピコが、近いサーバーと遠いサーバーへ戻ってくる二つの光の輪を見比べている
遠い場所との通信では、データが行って戻る道の長さが体感に出ることがあります。

切れても通信が全部止まるとは限らない理由

海底ケーブルは重要な道なので、切断や障害のニュースを見ると「インターネット全体が止まるのでは」と心配になるかもしれません。実際には、通信の道は一つだけではありません。

国や地域の間には、複数の海底ケーブルや陸上経路があります。障害が起きた場合、別の経路へ回す設計が使われることがあります。もちろん、場所や規模によっては遅くなったり、一部のサービスに影響が出たりする場合もあります。

ここで大切なのは、海底ケーブルを一本の細い命綱としてではなく、複数の道を持つネットワークの一部として見ることです。予備の道があるから何も起きない、という意味ではありません。影響の出方は、地域、経路、サービス、混雑状況によって変わります。

イト

海外のサーバーへ行く通信って、空を飛んでいるの?

ピコ

空の道もあるけれど、多くのインターネット通信は海の下の光ファイバーも通るよ

ユイ

海底ケーブルを、海外サイトへ向かう道として見ればよさそうです

海底ケーブル確認ワークとクイズ

海外サービスを使う場面を一つ選び、次の空欄を埋めてみてください。

使っているサービスは、______です。
サーバーが海外にある可能性は、高い / 低い / 分からない のうち______です。
体感に出そうな要素は、距離 / 混雑 / Wi-Fi / サーバー側 のうち______です。

答えの例:

  • 使っているサービスは、海外のオンラインゲームです。
  • サーバーが海外にある可能性は、高いです。
  • 体感に出そうな要素は、距離とサーバー側です。

Q1. 海底ケーブルは何を運びますか?

A. 国や地域をまたぐ通信を、光ファイバーの光信号として運びます。

Q2. 海外通信は衛星だけで行われていますか?

A. いいえ。衛星通信もありますが、多くのインターネット通信では海底ケーブルを含む光ファイバー網が重要です。

Q3. 海底ケーブルが関係すると、何に影響しやすいですか?

A. 遠いサーバーとの往復時間、つまりレイテンシやpingに影響する場合があります。

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自分の言葉で説明してみよう

「インターネット海底ケーブルの役割を、海外サイトへの通信、光ファイバー、レイテンシと結びつけて説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。