仕組みを知る

CDNとは?配信の仕組みとキャッシュ・オリジンの違い

CDNは、画像、CSS、JavaScript、動画などのコンテンツを複数の配信拠点に置き、利用者に近い場所から届けやすくする仕組みです。エッジサーバー、オリジンサーバー、キャッシュ、古い表示の確認ポイントを見比べます。

CDNとは?配信の仕組みとキャッシュ・オリジンの違い

30秒でわかる答え

CDNは、コンテンツを複数の配信拠点に置き、利用者に近い場所から届けやすくする仕組みです。CDNを使うだけで、必ず速くなったり最新の内容が表示されたりするわけではありません。

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

CDN
世界中の近い場所から画像や動画などを届けやすくする配信ネットワークです。
エッジサーバー
利用者に近い場所でデータを返すサーバー。CDNで表示を速くするために使われます。
オリジンサーバー
元のデータを持っている中心のサーバー。CDNはここからデータを受け取ることがあります。
キャッシュ
一度使ったデータを一時的に保存し、次に速く使えるようにするしくみです。
パージ
キャッシュやCDNに残った古いデータを消し、新しい内容を届け直す操作です。
DNS
人間が読めるドメイン名を、コンピューターが使う住所に変換するしくみです。

画像の元と控えを見分けてみる

画像が多いページを一つ思い浮かべて、次の三つを分けてみてください。

  1. 元の画像を持つ本館はどこか
  2. 近くの分室にキャッシュがありそうか
  3. 更新した画像が古く見える場合、どこの控えを見るか

本館と分室を訪ねよう

ユイ

ポート番号のドアを抜けたら、CDN分室が見えました

イト

本館じゃなくて近くの分室から画像が届くことがあるの?

ピコ

あるよ。CDNは、コンテンツを近い配信拠点から届けやすくする仕組みなんだ

毎回オリジンサーバーまで取りに行くのではなく、近くの配信拠点にあるキャッシュから返せる場合があります。そのため、表示が速くなったり、元のサーバーへの負荷が減ったりすることがあります。

第57話では、サーバー図書館の外にあるCDN分室を訪ねます。たとえでは本館と分室ですが、実際の画面のむこう側では、DNS、エッジサーバー、キャッシュ、オリジンサーバーが組み合わさります。

CDNの役割を先にいうと

CDNは、Content Delivery Networkの略です。

近い拠点の役割は エッジサーバーとは、本館側は オリジンサーバーとは と分けると整理しやすくなります。

コンテンツを一つの本館だけに置くのではなく、複数の配信拠点に置き、利用者に近い場所から返しやすくします。ここでいうコンテンツには、画像、CSS、JavaScript、フォント、動画の一部などが含まれます。

ラボのたとえでは、オリジンサーバーが本館、CDNの配信拠点が分室です。本館にある材料のコピーを分室にも置いておけば、近くの利用者は分室から受け取れる場合があります。

CDN・オリジン・キャッシュ・パージの役割

CDNは配信拠点を分けて届ける仕組み、キャッシュは内容を保存して再利用する仕組みです。キャッシュはブラウザの中でも使うため、CDNだけの別名ではありません。

CDNでは、いくつかの言葉が一緒に出てきます。

言葉役割
オリジンサーバー元のコンテンツを持つ本館
エッジサーバー利用者に近い分室として返すサーバー
キャッシュエッジサーバーなどに置かれた控え
パージ古いキャッシュを消す操作として使われることがある言葉

利用者が画像を開いたとき、近くのエッジサーバーにその画像のキャッシュがあれば、そこから返せます。なければ、オリジンサーバーへ取りに行き、その後エッジサーバーに控えを置く場合があります。

イトとユイとピコが、元の本館と近くの分室から画像の控えが届く流れを見ている
CDNでは、元の本館だけでなく、利用者に近い分室から控えを返せる場合があります。

マコト

CDNは本館をなくす仕組みではなく、近くの分室も使う仕組みなんだね

ユイ

どこに元があり、どこに控えがあるかを分けると見えやすいです

CDNで速さを助ける流れ

CDNが速さを助ける理由は、一つだけではありません。

  • 利用者に近い配信拠点から返せる場合がある
  • オリジンサーバーまで取りに行く回数を減らせる
  • 画像や動画など大きなファイルの配信を分散できる
  • アクセス集中時に元のサーバーの負担を減らせる
  • 海外や遠い地域からのアクセスを安定させやすい

ただし、CDNを使えばいつでも速くなるという意味ではありません。画像が大きすぎる、JavaScriptが重い、HTML生成に時間がかかる、キャッシュ設定が合っていない、利用者の回線が遅いなど、ほかの要因も関係します。

CDNは表示速度を助ける部品の一つです。Webページ全体を見るときは、サーバー、CDN、ブラウザキャッシュ、レンダリング、JavaScriptの処理を分けて確認します。

よくある誤解:CDNなら必ず速く、必ず最新になる?

いいえ。CDNは配信を助ける仕組みですが、入れるだけですべてが速くなるわけではありません。

ここでいう「近い」は、地図上でいちばん近い建物とは限りません。ネットワーク上の場所や混み具合、CDNの設定などを見て、届ける拠点が選ばれます。また、近い拠点にキャッシュがなければ、オリジンサーバーへ取りに行くこともあります。

更新した内容がすぐ見えるかどうかも、キャッシュの保存期間や再確認の設定によって変わります。CDNを使っているから大丈夫、と一つに決めず、速さは配信経路、古い表示はキャッシュの場所に分けて調べるのが近道です。

CDNのキャッシュが古いときの更新とパージ

CDNで大切になるのがキャッシュです。

エッジサーバーが画像やCSSのキャッシュを持っていれば、同じデータを毎回オリジンサーバーへ取りに行かずに済むことがあります。一方で、古いキャッシュが残ると、更新したはずの画像やCSSがすぐ変わらない場合があります。

確認するときは、次を分けます。

  1. 自分のブラウザキャッシュが古くないか
  2. CDNのエッジサーバーに古いキャッシュが残っていないか
  3. オリジンサーバー側のファイルが更新されているか
  4. ファイル名やURLが変わっているか
  5. キャッシュの保存期間が長すぎないか
  6. CDNのパージ操作が必要か

「自分だけ古い」のか、「別の端末や別の地域でも古い」のかで見る場所が変わります。CDNは便利ですが、近くの控えをいつ新しくするかもセットで考えます。

マコトとピコが、更新済みの本館カードと古いままの分室カードのどちらが端末へ出ているかを確認している
古い表示が残るときは、オリジンではなく近い分室のキャッシュを見ている場合があります。

公開画像の控えと、ログインした人だけの画面は、同じ条件で共有できません。何を保存し、誰の要求へ再利用してよいかを、サイトの指定やCDNの設定で分けます。「CDNを使う=すべてを公開コピーする」ではありません。また、近い配信拠点とは、必ずしも地図上の直線距離が最短の拠点を指すとは限りません。

CDNが使われる場面

CDNは、同じコンテンツを多くの人に届ける場面でよく使われます。

  • 画像が多いWebサイト
  • CSSやJavaScriptを配信するサイト
  • 動画や音声を配信するサービス
  • 海外からもアクセスされるサイト
  • アクセスが急に増えるキャンペーンページ
  • アプリで静的ファイルを安定して配りたい場合

動画配信では、動画を小さなかたまりに分け、利用者に近い配信拠点から届ける考え方が重要になります。Webサイトでも、画像やフォントなど同じ材料を多くの人に届けるときにCDNが助けになります。

運用で確認するポイント

サイト運用でCDNを使うときは、「CDNを入れたかどうか」だけでなく、設定と確認先を見る必要があります。

確認したいポイントは、次のとおりです。

  • どのURLやファイルをCDNで配信しているか
  • キャッシュしてよい内容か
  • 個人情報やログイン後の内容を誤ってキャッシュしていないか
  • キャッシュの保存時間は合っているか
  • 更新時にパージやファイル名変更が必要か
  • 障害時にオリジンサーバーへ戻れるか

CDNは、速さだけでなく運用にも関わります。実際のサービスでは、CDN事業者、CMS、ホスティング、アプリの設定が組み合わさるため、どこで設定しているかをメモしておくと確認しやすくなります。

ミニクイズ:本館と控えの役割を確かめる

Q1. CDNを一文でいうと?

CDNは、コンテンツを複数の配信拠点に置き、利用者に近い場所から届けやすくする仕組みです。

Q2. オリジンサーバーとエッジサーバーの違いは?

オリジンサーバーは元のコンテンツを持つ本館、エッジサーバーは利用者に近い配信分室として返すサーバーです。

Q3. CDNを使うと古い表示が残ることはありますか?

あります。エッジサーバーやブラウザなどに古いキャッシュが残っていると、更新前の内容が表示されることがあります。

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「CDNが近くの配信拠点からコンテンツを届ける仕組みであること、エッジ・オリジン・キャッシュの違い、古い表示の確認ポイントを説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。

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