TERM PRIMER
先に知っておく言葉
自分の画面で、住所の表示を見分ける
自分で管理している端末やサイトの画面で、IPv4とIPv6の札を探してみます。設定は変えず、表示を確認してください。サイトを管理していなければ、2番は読み飛ばせます。
- ルーターや端末のネットワーク設定で、IPv4やIPv6の表示があるか見る
- サイト管理画面で、AレコードとAAAAレコードがあるか確認する
- 「IPv6対応」と書かれた説明が、回線、端末、サービスのどれを指すか分ける
- つながりにくい場合、Wi-Fi、回線、DNS、サービス側を分けてメモする
- 速度の話と住所形式の話を混ぜていないか見直す
IPv4とIPv6は、どちらも____________の形式です。 IPv6はIPv4より、扱える____________が大きく増えています。 IPv6と速度の話は、____________も分けて考える必要があります。
答えの例:
- IPv4とIPv6は、どちらもIPアドレスの形式です。
- IPv6はIPv4より、扱える住所の数が大きく増えています。
- IPv6と速度の話は、回線、経路、Wi-Fi、端末、サービス側の状態も分けて考える必要があります。
画面のむこう側では、Webページを見るときも、動画を見るときも、データは宛先を手がかりに進みます。その宛先を表すIPアドレスには、192.0.2.1 のようなIPv4と、2001:db8::1 のようなIPv6があります。どちらか一方だけを丸暗記するより、役割、表記、使われる環境を分けると理解しやすくなります。
第91話「IPv4とIPv6は何が違う?」では、光回線の棚の奥に出てきた二種類の住所札を見比べます。古い住所台帳と新しい住所台帳のたとえを入口にしながら、実際の通信では何を確認すればよいのかに戻します。
住所札の新旧を比べる
IPアドレスそのものの役割に戻るなら IPアドレスとは を、名前から住所を探す関係は DNSの仕組み で確認できます。
IPv4は、長く使われてきた形式です。点で区切られた数字として見えることが多く、設定画面や説明でよく出てきます。一方、IPv6は、より多くのアドレスを扱えるように作られた形式で、コロンで区切られた長い表記になります。
ラボのたとえでは、IPv4は古くから使われている住所札、IPv6は広い新しい住所台帳です。たとえでは「新旧」と言えますが、実際にはどちらも現在のインターネットで使われます。サービス、回線、端末、ルーター、DNS設定によって、使われ方が変わる場合があります。
表記と住所数の違い
IPv4とIPv6は、見た目からかなり違います。
| 種類 | 表記の例 | ざっくりした特徴 |
|---|---|---|
| IPv4 | 192.0.2.1 | 数字と点で表す、長く使われてきた形式 |
| IPv6 | 2001:db8::1 | コロンを使う長い形式で、非常に多くの宛先を扱える |
IPv4は扱える住所の数に限りがあります。インターネットにつながる端末やサービスが増え続けると、住所札が足りなくなります。その課題に対応するため、IPv6では扱えるアドレスの数が大きく増えています。
ただし、利用者が毎日この数を計算する必要はありません。まずは「IPv4とIPv6は、同じIPアドレスの仲間だが、表記と住所数が違う」と押さえれば十分です。

マコト
IPv6は、住所札を増やすための大きな台帳なんだね
ピコ
そう。けれど実際には、端末やサービスが対応しているかも一緒に見るよ
家までの通信の道は、光回線の仕組み でたどれます。
家庭やサイト運用で関係する場面
IPv4とIPv6は、普段の画面では見えないことも多いです。それでも、次のような場面で関係します。
- 回線やプロバイダーの説明でIPv6対応と書かれている
- ルーターや端末の設定画面にIPv4アドレスやIPv6アドレスが出る
- サイト運用でDNSにAレコードやAAAAレコードを設定する
- 特定のサービスだけつながりにくい
- 社内ネットワークやサーバー設定で接続元を制限する
Webサイト運用では、DNSのAレコードがIPv4に、AAAAレコードがIPv6に関係します。どちらを設定するかは、サーバーやサービスが対応しているかによって変わります。家庭では、回線、ルーター、端末、サービス側の対応がそろっているかが体験に影響する場合があります。
速くなる話と混同しない
IPv6という言葉は、「速くなる」と一緒に説明されることがあります。
実際には、IPv6そのものが魔法の速度アップ装置というわけではありません。通信経路、回線の混雑、プロバイダーの方式、ルーター、Wi-Fi、サービス側の状態などが組み合わさって体感が変わる場合があります。
そのため、IPv4とIPv6の違いを説明するときは、次のように分けると安全です。
| 見方 | 分けて考えること |
|---|---|
| 住所の形式 | IPv4とIPv6の表記や住所数 |
| 通信の体感 | 回線、混雑、経路、Wi-Fi、端末 |
| サイト運用 | DNS設定、サーバー対応、証明書やアプリの設定 |
「IPv6ならいつも速い」と決めつけるより、「IPv6対応によって、環境によっては通信経路や混雑の影響が変わる場合がある」と見る方が現実に近くなります。

住所の形式と、接続方式を分ける
IPv4とIPv6はどちらもネットワーク上の宛先を扱う仕組みですが、表記と扱えるアドレス空間が大きく異なります。一方、PPPoEやIPoEは回線への接続方式です。「IPv6だから必ず速い」と結びつけず、IPの版と接続経路を別々に確認します。
DNSとの関係
ブラウザでは、example.com のようなドメイン名を入力します。けれど通信では、宛先の手がかりとしてIPアドレスが使われます。その橋渡しをするのがDNSです。
DNSでは、IPv4の宛先を示す情報と、IPv6の宛先を示す情報が分かれている場合があります。サイト運用では、IPv4向けのAレコード、IPv6向けのAAAAレコードという言葉を見ることがあります。
たとえば、同じドメイン名でも、IPv4とIPv6の両方に対応しているサービスがあります。端末や回線がIPv6を使える場合はIPv6側でつながり、そうでない場合はIPv4側でつながることがあります。実際の動きは環境やサービスによって変わります。

同じドメインの中で用途ごとに名前を分ける話は、サブドメインとは で確認できます。
確認するときの見方
IPv4とIPv6で迷ったときは、何の設定を見ているのかを先に分けます。
| 画面で見えるもの | 近い意味 |
|---|---|
| IPv4アドレス | IPv4形式の宛先や家庭内の番号 |
| IPv6アドレス | IPv6形式の宛先や端末の情報 |
| Aレコード | ドメイン名をIPv4の宛先へ向けるDNS設定 |
| AAAAレコード | ドメイン名をIPv6の宛先へ向けるDNS設定 |
| IPv6対応 | 回線、端末、サービスがIPv6を扱える状態 |
接続トラブルでは、IPv4だけでつながらないのか、IPv6だけでつながらないのか、DNSの設定なのか、Wi-Fiや回線なのかを分けて考えます。実際には専門的な確認が必要な場合もありますが、最初に「住所形式の話」と「通信全体の話」を分けるだけで、説明はかなり楽になります。
図で見るIPv4とIPv6の確認順
IPv4とIPv6で迷ったときは、住所の形式、名前との対応、使える環境を分けて見ると整理できます。
- ドメイン名を見る
- DNSでAレコードまたはAAAAレコードを見る
- IPv4形式またはIPv6形式の宛先へ向かう
- 端末・回線・ルーター・サービス側の対応を見る
- つながり方や体感速度は別の条件も合わせて確認する
この流れにすると、「IPv4かIPv6か」と「通信が速いか遅いか」を混ぜずに見られます。住所札の種類を見てから、回線やWi-Fi、サービス側の状態へ進む順番です。
ピコ
光回線の棚の奥に、IPv4とIPv6の住所札が並んでいたね
イト
どっちもインターネットの住所なら、何が違うの?
ユイ
設定画面で見かけても、どちらを意識すればいいのか迷います
IPv4とIPv6のよくある疑問
Q1. IPv4とIPv6は何の形式ですか?
どちらもIPアドレスの形式です。ネットワーク上の宛先を扱うために使われます。
Q2. IPv6の大きな特徴は何ですか?
IPv4よりはるかに多くの宛先を扱えることです。表記もIPv4とは違います。
Q3. IPv6なら、どんな環境でも速くなりますか?
そうとは言えません。回線、経路、ルーター、Wi-Fi、サービス側の状態なども関係します。
LAB WHITEBOARD
自分の言葉で説明してみよう
「IPv4とIPv6がどちらもIPアドレスの形式であり、主な違いは表記と扱える住所数、対応環境にあることを説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。




