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マンションのネットが夜だけ遅いのはなぜ|建物で分け合う回線

マンションのネットが夜だけ遅いのは、建物まで来ている回線を住戸で分け合う方式があるためです。建物内の配線で上限が変わる場合もあります。自室の設備との切り分けと、内見で聞く質問をまとめました。

マンションのネットが夜だけ遅いのはなぜ|建物で分け合う回線

30秒でわかる答え

マンション ネット 遅いとは何ですか?

建物まで来ている回線を住戸どうしで分け合う方式があり、みんなが同時に使う時間帯にその分け合いが効いてくるから。 マンションのネットが夜だけ遅いのは、建物まで来ている回線を住戸で分け合う方式があるためです。

一文定義
建物まで来ている回線を住戸どうしで分け合う方式があり、みんなが同時に使う時間帯にその分け合いが効いてくるから

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

光ファイバー
光の信号で大量のデータを遠くまで運ぶ細いケーブルです。
ルーター
データの行き先を見て、次にどの道へ送るかを決める機器です。
Mbps
1秒間にどれくらいのデータを送れるかを表す通信速度の単位です。
インターネット
世界中のコンピューターやサーバーをつなぐ大きなネットワークです。

マンションのネットが夜だけ遅くなりやすいのは、建物まで来ている回線を住戸どうしで分け合う方式があり、みんなが同時に使う時間帯にその分け合いが効いてくるからです。

「マンションは遅い」と言い切ることはできません。同じ町の同じような建物でも、方式と設備で結果が変わります。ただ、夜だけ落ちるという症状には、集合住宅ならではの構造が関わっている場合があります。

ユイがラボに持ち込んだのは、まさにその相談でした。ここでは、何が起きているのかを整理したうえで、自室の問題と切り分ける順番と、内見や問い合わせで聞くことをまとめます。

夜だけ遅くなる原因を一言でいうと

一戸建てでも夜は混みます。時間帯による混雑そのものは、集合住宅に限った話ではありません。そこは夜だけネットが遅いのはなぜで扱っています。

集合住宅で話がもう一段ややこしくなるのは、混み合う場所が「街の外」だけでなく「建物の中」にも増えるからです。

分けると、こうなります。

  • 自室の中:Wi-Fi、ルーター、端末
  • 建物の中:各住戸から共用部分までの配線と、そこにある機器
  • 建物の外:事業者の設備、その先のインターネット

一戸建てなら、真ん中の段がほとんどありません。集合住宅では、この真ん中の段が住人どうしの共有スペースになっている場合があります。

端末、Wi-Fi、回線、相手側を点検ボードで分ける基本は、第32話「ネットが遅い原因はどこにある? 点検ボードで切り分けよう」でも場面として確認できます。マンションでは、その点検ボードへ「建物内の配線と共用設備」を一段足します。

ユイ

引っ越し先を探しているんですが、マンションのネットって遅いんですか

マコト

物件によるとしか言えないな。だから僕は、調べ方のほうを渡したい

エレベーターの相乗りにたとえると

たとえでいうと、建物のエレベーターです。

朝の8時台、みんなが同時に降りようとします。エレベーターは壊れていません。ちゃんと動いています。ただ、箱の数と大きさが決まっているので、待ちが出ます。昼の2時に乗れば、同じエレベーターがすっと来ます。

住人が増えても、エレベーターの数はすぐには増えません。だから「昼は快適、夜は待つ」という差が生まれます。

ただし実際の回線では、待っているのはデータです。建物へ来ている通信の容量が住戸で共有されている場合、同時に使う人が増えるほど、1住戸あたりの取り分が減ることがあります。夜に動画やゲームが重なるのは、まさにその時間です。

建物までの回線を分け合う方式

集合住宅のインターネットには、いくつかの方式があります。細かい呼び方は事業者や物件で違いますが、大まかには次のような分かれ方をします。

方式のイメージ建物までの回線分け合いの度合い
各住戸まで個別に契約する形住戸ごと建物内での共有は少なめ
建物一括で入っている形建物で共有住人の同時利用の影響を受けやすい
共用部分から各戸へ配る形建物で共有配り方の設備で上限が変わる場合がある

「光回線対応」と書いてあっても、それが「建物まで光が来ている」なのか「自分の部屋まで光が来ている」なのかは、書き方だけでは区別がつかないことがあります。ここが、募集情報を読むときにいちばん混ざりやすいところです。

ユイ

光回線と書いてあれば速い、と思っていました。同じ書き方でも違うんですね

マコト

同じ看板でも、建物の中の配り方までは看板に書いていないことがあるよ

建物内の配線で上限が変わる場合

建物まで大きな回線が来ていても、そこから各住戸へどう配るかで、実際に出る速さが変わることがあります。

画面のむこう側から見ると、太い道が建物の入口まで来ていて、そこから先が細い廊下に切り替わっている、という景色になる場合があります。入口の道幅だけを見ても、部屋までの体感はわかりません。

配り方には、たとえば次のような違いが関わります。

  1. 共用部分から各戸まで、何を使って配っているか
  2. その配線が、どれくらいの速さまで扱える種類か
  3. 共用部分の機器が、何住戸分を受け持っているか
  4. 建物が建てられた時期と、その後の改修の有無

古い建物でも改修済みなら快適な場合があります。新しい建物でも、共用設備の受け持ちが多ければ夜に落ちる場合があります。築年数だけでは決まりません。

自室の設備と切り分ける順番

ここを飛ばすと、建物のせいにして終わってしまいます。まず、自分の側から確かめます。

  1. 有線でつなげる機器があれば、有線で測る(Wi-Fiの影響を外す)
  2. Wi-Fiで測るなら、ルーターと同じ部屋で測る
  3. 昼と夜、2つの時間帯で測って並べる
  4. 家じゅうの端末で同じように遅いかを見る
  5. 特定のサービスだけ重いなら、そのサービスの障害情報を見る

有線でも夜だけ落ちる、家じゅうで落ちる、昼は速い。この3つがそろったとき、はじめて建物側や事業者側が有力な候補になります。逆に、有線なら夜でも速いなら、自室のWi-Fi側でできることが残っています。端末から外側に並べる考え方はネットが遅い原因と同じで、集合住宅では「建物」という段が1つ増えるだけです。

決めつけを避けたい場面

避けたいのは、測る前に結論を出すことです。

  • 「マンションだから遅い」と決めて、自室の設備を見ない
  • 1回の測定だけで、契約や物件の判断をする
  • 口コミの1件を、自分の住戸の結果として受け取る
  • 建物側が原因だとわかった後も、機器を買い替え続ける

そして、個人で解決できる範囲には限りがあります。自室のルーター、Wi-Fiの置き場所、契約プラン、有線化。ここまでは自分の手が届きます。建物の配線方式や共用設備は、基本的に管理組合や所有者の領域です。

ここを分けておくのは、諦めるためではありません。自分の手が届く側をやり切ったうえで、届かない側は相談へ回す。その判断を早くするためです。相談するときは、昼と夜の測定値、有線と無線の差、症状の日時をそろえて出すと、話が進みやすくなります。

内見の質問リストとミニクイズ

内見や問い合わせのとき、次の3系統を聞いてみてください。ユイがノートに作ったチェックリストがこれです。答えが「わからない」でも、それ自体が情報になります。

  • 方式:インターネットは建物一括ですか、住戸ごとの契約ですか
  • 方式:自分で好きな回線を引き込むことはできますか
  • 共用部分:各戸への配線は、どんな種類でいつ頃のものですか
  • 共用部分:何住戸で共有していますか
  • 実測値:可能なら、内見時に自分のスマホで測らせてもらえますか
  • 実測値:現在住んでいる方から、夜の体感について声は届いていますか

Q1. マンションのネットが夜だけ遅いのはなぜですか?

A. 建物まで来ている回線を住戸で分け合う方式があり、同時に使う人が増える夜に、その分け合いが効いてくる場合があるためです。

Q2. 「光回線対応」と書いてあれば安心ですか?

A. 言い切れません。建物まで光が来ているのか、住戸まで来ているのかで、実際の体感が変わることがあります。

Q3. 建物のせいかどうかは、どう確かめますか?

A. 有線で、昼と夜の両方で測ります。有線でも夜だけ落ち、家じゅうで同じなら、建物側や事業者側の候補が上がります。

建物の回線から進む記事

建物という段が見えたら、その外側の道と、契約の中身を1つずつ確かめると、物件選びの判断がしやすくなります。

ユイがノートに書いたのは、物件名ではなく質問でした。速いかどうかは、住んでみるまでわからないことがあります。ただ、何を聞けばいいかを持っていれば、内見の15分で得られる情報が変わります。

まず昼夜を、同じ条件で比べる

同じ端末・同じ場所・同じ接続方法で昼と夜を測り、夜だけ落ちるかを確かめます。差が繰り返し出るなら共有区間の混雑が候補になり、時間帯を問わず遅いならWi-Fiや宅内機器も含めて切り分ける。この順番なら、いきなり契約変更へ飛びません。

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「集合住宅で夜だけ遅くなる理由を、建物までの回線を分け合う構造から説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。