テレビのアニメはどこから来る? / 第90話

第90話:イトは、テレビを速くしようとして家中を止めた|光回線とWi-Fiは同じ?

ピコルート第90話。同じライブがノートPCでは動き、テレビだけ止まる。イトは回線を全振りしたあと、光回線、ONU、ルーター、Wi-Fi、端末を分けて調べます。

fiber accessONUrouterWi-Fi last hop10分更新

第89話の夜景は、ユイのlaptopで流れ続けていた。

テレビだけが、同じ一枚で止まっている。

live programの残りは、七十秒。

イトは壁から伸びる青いfiber lineをつかんだ。

入口のcapacity meterは、まだ大きく空いている。

「テレビへ速い回線を全部渡せば、追いつく」

イトはrouterの分配leverを、TV 100%へ倒した。

laptopへ向かうcyan streamが細くなる。

二秒後、laptopの映像まで止まった。

テレビは戻らない。

external access capacity   available
laptop before allocation   playing
television before          stalled
laptop after TV 100%       stalled
television after           stalled

動いていた一台まで止めて、止まっていた一台は直せなかった。

一本の「光回線」を、六つに分ける

同じlive segmentが家へ入ってからscreenへ出るまでには、いくつかの境界がある。

service / provider network
  -> fiber access link
  -> ONU
  -> router WAN / LAN
  -> wired Ethernet or Wi-Fi
  -> device / player render

fiber accessは、屋外から建物の入口まで光signalを運ぶ区間だ。

ONUは、fiber側のoptical signalと、home network equipmentが扱うsignalの橋渡しをする。

routerは、外側のnetworkと家の内側を分け、複数deviceへpacketの道を選ぶ。

Wi-Fiは、routerやaccess pointとdeviceの間にあるwireless last hopだ。

Wi-Fi機能とrouter機能、ONU機能が一つのhome gatewayへまとまる構成もある。

別々の箱になる構成もある。

箱の数ではなく、役割の境界で見る。

「光回線がある」を「家の中の全deviceが同じ状態」にしない。

ユイ

laptopがさっきまで動いていたなら、同じfiberとONUまでは届いていたはずです

マコト

TV 100%にしても戻らない。量を増やす前に、分かれた後を見よう

イト

ぼくは青い線を一本の原因にして、正常なbranchまで絞ってた

Picoは機器へ触れない。

fiber入口、ONU出口、routerの二つのbranchを順に照らした。

同じsegmentを、境界ごとに追う

イトはTV 100%のleverを中央へ戻した。

laptopが再開する。

次に、同じlive segment s-620のreceiptを各境界で比べた。

source playlist lists s-620    1
ONU ingress receives s-620     1
router WAN receives s-620      1
laptop wired branch receives   1
television Wi-Fi receives      0

providerからrouter WANまで、s-620は一度届いている。

laptopのwired branchにも出ている。

TV側だけが受け取れていない。

この観測だけで、Wi-Fi電波、TVのwireless adapter、device softwareのどれか一つへ確定はできない。

ただし、全体のfiber capacityを増やす前に、routerより後ろを比較する理由はできた。

残り50秒の三択

live programは残り五十秒になった。

いまから外側を全部restartすれば、動いているlaptopも止まる。

光fiber connectorはlab fixture外で、抜き差ししない。

TVの最後のbranchだけを比較し、結果が出なければlaptopを残してTV復旧を諦める。

イトは三枚のroute cardを置いた。

イト

A。外側のfiber boostを上げ、TVへもっとcapacityを寄せる

イト

B。ONUからTVへ直接つなぎ、routerの境界を無断で飛ばす

イト

C。healthyなfiber、ONU、routerを残し、same segmentだけをknown-good wired branchでTVへ試す

Aは、routerまで届いたsegmentをTVのlast hopへ届ける証明にならない。

Bは、routerが持つnetwork境界や通常構成を、原因確認のために消している。

Cなら、serviceもsegmentもdeviceも同じまま、last hopだけを変えられる。

成功してもWi-Fiの原因が全部分かるわけではない。

失敗したら、device / player側へ絞れる。

イトがfiber boostを閉じ、TVだけのtest railを開いた

イトは左手で、amberのfiber-boost funnelを閉じた。

隣のONU-direct bypassにもlockを掛ける。

右手で、routerからTVへ伸びるone cyan diagnostic railを開いた。

イトが光回線をテレビへ全振りする迂回路を閉じ、正常なONUとルーターを残してテレビだけの有線テスト経路を開く
共通のfiber / ONUを壊さず、same segmentをTVのalternate last hopだけで比較する。

diagnostic railはrouter LANからTVへ届くtemporary wired pathだ。

laptopのbranchは、そのままにする。

PicoはONUのgreen exitとTV Wi-Fiのdark gapを分けて照らし、railへ触れない。

イトは次のsegment s-621を待った。

router WAN receives s-621       1
laptop wired receives s-621     1
TV Wi-Fi receives s-621         0
TV temporary wired receives     1
TV first new frame renders      1

テレビの夜景が動いた。

fiber planもlive serviceも変えていない。

同じrouterからTVまでのlast hopを変えただけだ。

このfixtureでは、止まっていた範囲をTV Wi-Fi branchへ絞れた。

よくある誤解:Wi-Fiは空中の光回線ではない

イトはtemporary wired railを残したまま、TVのWi-Fi pathを見た。

wireless access pointは、金属の棚のいちばん奥に置かれている。

TVとの間には、厚い展示panelが二枚ある。

signal iconは三本あるが、短いtest packetを十回送ると三回欠けた。

TV Wi-Fi signal icon       3 bars
test packets sent          10
test packets received       7
gaps                         3

iconが見えることと、動画segmentが途切れず届くことは同じではない。

Wi-Fiの状態は、距離、壁や家具、置き場所、周囲のradio use、device側の条件などで変わり得る。

このfixtureでは、access pointを棚の外側へ移し、同じ十packetを再試験する。

test packets sent          10
test packets received      10
TV Wi-Fi segment received   1
TV next frame rendered      1

temporary wired railを閉じても、TVは再生を続けた。

位置変更で直った一回を、すべてのWi-Fi問題の原因へ広げない。

再現しなければdevice software、wireless adapter、router branch、別のinterference条件へ進む。

速さ、遅れ、欠けを一つのmeterにしない

入口のcapacity meterは、同時に運べるdata量の目安を示す。

requestを送って返事が始まるまでの時間はlatencyとして別に見る。

途中でpacketやsegmentが欠けるなら、loss / gapとして数える。

高いcapacityがあっても、TVのlast hopで必要なdataが欠ければvideoは止まり得る。

latencyが小さくても、継続して運べる量が足りなければ高画質segmentの取得に間に合わない場合がある。

capacity   how much can move over time
latency    how long a response takes
loss       what failed to arrive

一つのspeed testだけで、provider、Wi-Fi、device、serviceの全状態を確定しない。

同じ時刻、同じtarget、同じsegmentで、どの境界まで届いたかを比べる。

直ったけれど、ライブの28秒は戻らない

TVの再生が安定したとき、live programは残り二十二秒だった。

TVは最初の二十八秒を見られなかった。

laptopも、イトがcapacityを全振りした二秒だけ止まった。

TV recovered                  1
laptop kept after decision    1
TV content missed            28 seconds
laptop avoidable stall        2 seconds
external fiber changed        0

空からの夜景が、最後にゆっくり遠ざかる。

三人はendingまで見られた。

しかし、見逃した二十八秒は成功の中へ戻ってこない。

マコト

光回線を強くしたから直ったんじゃない。どこまで届いたかを残して比べたから絞れた

イト

一台だけ止まったとき、家中の正常な道を先に落とさない

ユイ

TVは戻りました。でも、最初の二十八秒は見られないままです

全台か、一台かを最初の分岐にする

全deviceが同時に外へ出られないなら、service、access link、ONU、routerのcommon pathを確認する理由が強くなる。

一台だけなら、他deviceと共有するところまでgreenかを先に見る。

同じserviceを別deviceで試す。

同じdeviceをknown-good wired / Wi-Fi branchで比べる。

機器のindicator、接続、設定を確認し、対応範囲外のfiber connectorを無理に扱わない。

common pathまで失敗しているなら、そこで止めてservice情報やsupportへ進む。

正常なbranchがあるなら、それを残してfailed branchだけを狭くする。

routerに、二枚の住所札が届いた

live programが終わると、routerのtrace drawerが開いた。

同じ次のservice名に、二枚のaddress cardが入っている。

短いdot区切りのcard。

長いcolon区切りのcard。

address candidate IPv4   ready
address candidate IPv6   ready
selected path            unset

イトは、長いcardをつかんだ。

「新しい方だけ通せば、今度こそ全部速い」

さっき閉じたはずのall-to-one funnelが、address drawerの下でまた開きかける。

ユイは短いcardを捨てず、二枚を同じ高さへ戻した。

新しいaddress formatと、今回うまく届くrouteは同じ判断ではない。

イトは二枚を持ったまま、どちらもまだ選ばなかった。

次回、ピコルート第91話。

イトは、新しいIPv6だけを残せば速くなる?|二つの住所と到達経路

この物語を、解説で深める

第90話で生まれた疑問を、解説記事で少し深く見ていきます。物語で感じた不思議さを残したまま、言葉と仕組みを順番に整理しましょう。

光回線の仕組み|光ファイバーから家のWi-Fiまでを読む