仕組みを知る

VPNとは|通信を別のトンネルに通す仕組み

VPNは、端末とVPNサーバーの間に暗号化された通信トンネルを作り、通信の通り道を変える仕組みです。外出先Wi-Fi、会社への接続、HTTPSとの違い、VPNでできることとできないことを順序立てて確かめます。

VPNとは|通信を別のトンネルに通す仕組み

30秒でわかる答え

VPNとは何ですか?

端末とVPNサーバーの間に暗号化された通信トンネルを作り、通信の通り道を変える仕組み。 外出先Wi-Fi、会社への接続、HTTPSとの違い、VPNでできることとできないことを順序立てて確かめます。

一文定義
端末とVPNサーバーの間に暗号化された通信トンネルを作り、通信の通り道を変える仕組み

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

VPN
通信を守るために、専用のトンネルのような道を作ってやり取りするしくみです。
VPNサーバー
VPNの出入口になり、通信を代わりに中継するサーバーです。
暗号化
内容をそのまま読めない形へ変える処理です。通信や保存データを守るために使います。
HTTPS
HTTPの通信を暗号化して、より安全にやり取りするためのしくみです。
IPアドレス
ネットワーク上の機器やサーバーを見つけるための住所のような番号です。
トンネル
通信を包んで運び、途中の経路から中身を見えにくくする通り道です。

ユイ

VPNは安全になる、だけで覚えると広すぎる言葉ですね

イト

暗号化の机の先に、VPNって書かれたトンネルがあったよ

ピコ

VPNは、通信を別の通り道に通す仕組みだよ。まず何を通すのかを見よう

VPNとは、端末とVPNサーバーの間に暗号化された通信トンネルを作り、通信の通り道を変える仕組みです。

外出先のWi-Fiから会社のネットワークに接続する、通信経路の一部を保護する、接続元の見え方を変える、といった場面で使われます。ただし、VPNを使えば何でも安全になるわけではありません。VPNで守りやすくなる範囲と、HTTPSやフィッシング対策で見る範囲は分けて考えます。

第55話では、暗号化の机の先にある「VPNトンネル」をくぐります。通信がどこを通り、どこから外へ出るのかを、画面のむこう側の地図として順序立てて確かめます。

VPNを先にいうと

VPNは、Virtual Private Networkの略で、仮想的な専用ネットワークを作る仕組みです。

安全な通信との違いを整理するには、HTTPSとは と SSL/TLSとは を先に横に置くと、守る範囲の違いが見えます。 たとえば、外出先の端末からVPNサーバーまで鍵付きのトンネルを作ります。端末の通信はそのトンネルを通ってVPNサーバーに届き、そこから目的のサイトや会社のネットワークへ向かう場合があります。

ラボのたとえでは、普通の道をそのまま走るのではなく、いったん鍵付きトンネルへ入り、出口を通って目的地へ向かうイメージです。トンネルの中では通信が暗号化される場合がありますが、トンネルを出た先の扱いは別に考えます。

イトとユイとピコが、端末から鍵付きトンネルを通って別の出口へ進む通信路を見ている
VPNは、端末とVPNサーバーの間に鍵付きトンネルを作り、通信の通り道を変えます。

VPNはどこで何を守るのか

VPNは、いくつかの場面で使われます。

場面何をしたいか
会社のネットワークに接続社外から社内システムへ安全に入る
外出先Wi-Fiで使うWi-Fi区間などの通信保護を助ける
拠点同士をつなぐ離れたオフィス間を一つのネットワークのように扱う
個人向けVPNサービス通信経路や接続元の見え方を変える
開発や検証特定のネットワーク内サービスに接続する

仕事用VPNと個人向けVPNでは目的が違うことがあります。会社のVPNは、社内ネットワークへ入るための入口として使われる場合があります。個人向けVPNは、通信経路を変えたり、外出先の通信保護を助けたりする目的で使われることがあります。

VPNで通信はどう流れるか

VPNを使うと、通信の流れは次のように変わります。

  1. 端末がVPNに接続する
  2. 端末とVPNサーバーの間に暗号化されたトンネルができる
  3. 通信がVPNサーバーまで通る
  4. VPNサーバーから目的のサイトや社内サービスへ向かう
  5. 返事もVPNサーバーを通って端末へ戻る

この流れでは、端末からVPNサーバーまでの区間を守りやすくなります。外出先Wi-Fiなどで、同じネットワーク上の人に通信内容をそのまま見られにくくする助けになります。

ただし、VPNサーバーから先の通信や、アクセス先のサイトで何をするかは別の話です。HTTPSで守られているか、入力先が本物か、アカウントが安全かも合わせて見ます。

マコト

VPNはトンネルの中を守るけれど、出口の先まで全部を保証するわけではないんだね

ユイ

トンネル、出口、入力先を分けると誤解しにくくなりますね

HTTPSとの違い

VPNとHTTPSは、どちらも通信の安全に関係しますが、見る場所が違います。

仕組み主に見る場所
VPN端末からVPNサーバーまでのトンネルや通信経路
HTTPSブラウザとWebサーバーの通信路

HTTPSは、Webサイトとの通信をTLSで守る仕組みです。VPNは、通信をVPNサーバーへ通すためのトンネルを作ります。両方が同時に使われることもあります。

たとえば、VPNにつないだ状態でHTTPSのサイトを開くと、端末からVPNサーバーまでのトンネルと、ブラウザからWebサーバーまでのHTTPSが関係します。どちらも「安全そうなもの」とまとめず、どの区間を守っているのかを分けると理解しやすくなります。

マコトとユイとピコが、VPNトンネル区間とHTTPS通信路区間を別々の透明チューブで見比べている
VPNとHTTPSはどちらも通信の安全に関係しますが、主に守る場所が違います。

VPNでできることとできないこと

VPNでできることの例は、次のとおりです。

  • 外出先から会社のネットワークに接続する
  • 端末からVPNサーバーまでの通信を保護しやすくする
  • 通信経路や接続元IPアドレスの見え方を変える
  • 特定のネットワーク内サービスへ入る
  • 公衆Wi-Fi利用時のリスクを一部下げる

一方で、VPNだけでは解決しないこともあります。

  • 偽サイトを見抜くこと
  • 入力したパスワードや確認コードを守ること
  • VPN提供者を信頼できるかどうかの問題
  • 端末がウイルスや不正アプリに感染している場合の危険
  • サービス側のアカウント乗っ取り
  • HTTPSではない通信の行き先側の扱い

VPNを使うと、VPN提供者や会社のVPNサーバーを経由します。つまり、どのVPNを信頼するかも大事です。無料か有料かだけで判断せず、運営元、目的、ログの扱い、仕事のルールなどを確認します。

VPN接続で困ったときの見方

VPN接続で困ったときは、どこで止まっているかを分けます。

  1. VPNアプリやOSの設定で接続できているか
  2. ユーザー名、パスワード、証明書、2段階認証が合っているか
  3. 自宅や外出先の回線がつながっているか
  4. 会社やVPNサービス側に障害がないか
  5. 接続後、目的のサービスのポートや権限が開いているか

VPNへつながっても、目的のサービスに入れない場合があります。そのときは、VPN自体ではなく、社内サービスの権限、ファイアウォール、ポート番号、DNS設定などが関係することがあります。

VPN確認ワークとクイズ

自分が見たことのあるVPN画面を思い浮かべて、次の三つを分けてみてください。

  1. どこからVPNに接続しているか
  2. どのVPNサーバーや会社ネットワークへ入っているか
  3. VPN接続後に、どのサービスへアクセスしたいか

Q1. VPNを一文でいうと?

VPNは、端末とVPNサーバーの間に暗号化された通信トンネルを作り、通信の通り道を変える仕組みです。

Q2. VPNとHTTPSは同じものですか?

いいえ。VPNは通信をVPNサーバーへ通すトンネル、HTTPSはWebサイトとの通信路を守る仕組みです。

Q3. VPNを使えばフィッシングの心配はなくなりますか?

いいえ。偽サイトに自分で情報を入力する危険は残ります。VPNと入力先の確認は分けて考えます。

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VPNを物語で復習するなら 第55話:VPNはどんな通信トンネル? へ進んでください。VPN接続後に「どのサービスの入口へ行くか」を知るなら ポート番号とは が続きます。

通信路の保護に戻るなら SSL/TLSとは、ブラウザで見えるHTTPSの意味を整理するなら HTTPSとは が近い記事です。

VPNを使うか迷う場面そのものを見直すなら、無料Wi-Fiはなぜ危ないと言われるか が、カフェのWi-Fiで実際に何が見えて何が見えないのかを分けて整理しています。

ラボのホワイトボードに一行だけ残すなら、こうです。

VPN = 通信をVPNサーバーまでの鍵付きトンネルに通し、通り道を変える仕組み

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「VPNが通信を別のトンネルに通す仕組みであること、使われる場面、HTTPSやフィッシング対策との違い、できることとできないことを説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。

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