仕組みを知る

NATとは?IPアドレスの変換とNAPT・ポート番号の仕組み

NATとは、家や会社の中で使うプライベートIPアドレスを、インターネット側で使う住所に変換する仕組みです。ルーター、ポート番号、グローバルIPとの関係をやさしく順に見ていきます。

NATとは?IPアドレスの変換とNAPT・ポート番号の仕組み

30秒でわかる答え

NATとは、家や会社の中で使うプライベートIPアドレスを、インターネット側で使う住所に変換する仕組みです。

ミニワーク:住所変換を一文で説明する

自宅の通信を想像して、次の空欄を埋めてみましょう。

  • 家の中の端末: ____
  • 端末の内側住所: ____
  • 外から見える住所: ____
  • ルーターの役割: ____

例は、「スマホは家の中ではプライベートIPを使い、ルーターが外向きのグローバルIPに変換して通信する」です。ここまで言えれば、NATの骨組みが説明できます。

プライベートIPとグローバルIPの役割

プライベートIPは、家や会社など限られたネットワーク内で使う住所です。グローバルIPは、インターネット側から見た住所として使われます。二つの住所を混ぜると、設定画面の数字がなぜ違うのか分かりにくくなります。

住所主な場所例の見方
プライベートIP家や会社の中端末ごとの内側の住所
グローバルIPインターネット側回線やルーターの外向き住所

詳しく分けるなら、プライベートIPとグローバルIPの違い が続きです。NATは、この二つの間にある変換カウンターとして考えます。

NATとは何を変換する仕組みか

NATは、Network Address Translationの略で、IPパケットに書かれたIPアドレスを別のIPアドレスに変換する考え方です。家庭では、スマホやPCが家の中のプライベートIPを使い、ルーターが外向きのグローバルIPに変換してインターネットへ出す場面でよく出てきます。

IPアドレスそのものを先に確認するなら、IPアドレスとは が入口です。NATは新しい道を作るというより、内側の住所札と外側の住所札を対応させる仕組みとして見ると分かりやすくなります。

たとえでは、ラボの受付で「家の中の部屋番号」を「外の配送先番号」に書き換える係です。実際にはルーターなどの機器が対応表を持ち、戻ってきた返事を元の端末へ返します。

マコト

NATでは、家の中の住所と外から見る住所を変えるんだね

イト

ルーターが住所を着替えさせているの?

ピコ

その住所変換の代表がNATだよ。家の中と外の住所札をつなぐ係なんだ

この記事について

家庭のルーターでは、複数の端末が一つの回線を共有するときにNATが関係します。「なぜ家の中のIPと外から見えるIPが違うのか」「ゲームやサーバー公開でなぜポート開放が出てくるのか」を、第21話「ルーターはどう道を選ぶ?」の分岐点から見ていきます。

家庭のルーターでNATが使われる例

ピコルート・ラボの家庭内ネットワーク模型では、イトのタブレット、ユイのPC、マコトのプリンターが別々の部屋番号を持っています。外のインターネットへ出るとき、ルーターはそれぞれの通信を外向きの住所に変換し、返事が戻る道をメモします。

イトとマコトとピコが、家の中の住所札を外向きの住所札に変換するルーターカウンターを見ている
NATは、内側の住所と外側の住所を対応させる変換カウンターとして見ると理解しやすくなります。

イト

外から見ると一つの入口でも、中には何台もいるんだね

ピコ

そう。だから返事を誰に戻すか、変換表が大切になるよ

この変換表があるため、家の中の複数端末が同じ回線を使えます。実際の通信では、IPアドレスだけでなくポート番号も一緒に使って、どの通信の返事かを見分ける場合があります。

NATとNAPTの違い|ポート番号で返事を戻す

家庭のIPv4通信でよく使われる形では、IPアドレスに加えてポート番号も変換し、複数の通信を見分けます。この方式がNAPTです。NATはアドレス変換の話、NAPTはポート番号も利用する方式として区別します。

受付で、外へ出した問い合わせ501を「イトの部屋・色紙係」、502を「ユイの部屋・画用紙係」と記録する例を考えます。返事が501宛てなら、その対応をたどってイトへ戻せます。501・502は説明用の受付番号で、実際の割当てを再現した値ではありません。実際には内外のアドレスやポート番号、通信方式などを扱います。

イトとマコトとピコが、戻ってきた返事パケットを色の違う通路で元の端末へ返す流れを見ている
ポート番号も合わせて見ると、戻ってきた返事をどの端末へ返すかを整理しやすくなります。

ポート番号は、同じ住所の中でサービスや通信の入口を分ける番号です。ポート番号とは と合わせると、なぜ「ポート開放」という言葉が出るのか見えてきます。

NATやNAPTは便利ですが、外から家の中の特定端末へ直接入りたいときには、ルーターの対応表や転送設定が必要になる場合があります。オンラインゲーム、監視カメラ、自宅サーバーなどで設定項目を見かけるのはこのためです。

NATでできることと注意点

NATがあると、複数の端末が一つの外向き住所を共有しやすくなります。一方で、外から内側へ入る通信はそのままでは届きにくい場合があります。

確認するときは次を分けます。

  • 内側の端末IPは何か
  • 外から見えるグローバルIPは何か
  • どのポート番号を使う通信か
  • ルーターが二重になっていないか
  • 回線事業者側でもNATされていないか

ここで扱ったのは、家庭のIPv4でよく使われる構成です。IPv6を含め、すべての通信でNATが必須というわけではありません。

NATはセキュリティ機能そのものではありません。外から届きにくくなる効果はありますが、守る仕組みはファイアウォールや認証、更新管理と分けて考えます。

ラボメモとしては、NATは「見えない壁」ではなく、画面のむこう側の配送路に置かれた住所変換表です。外へ出る通信は表に記録され、返事はその表をたどって元の端末へ戻ります。うまく戻らない時は、変換表、ポート番号、ルーターが二重になっていないかを順番に見ます。

ミニクイズでNATの理解を広げる

Q1. NATは何を変換しますか?

A. IPパケットに書かれたIPアドレスを、内側用と外側用の住所として変換します。

Q2. NATがあると外から家の中へ直接入りやすくなりますか?

A. そのままでは届きにくい場合があります。必要に応じてポート転送などを確認します。

Q3. 次に読むとよい記事は?

A. プライベートIPとグローバルIPの違い と ルーターの仕組み です。

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「NATを、家の中の住所と外の住所を変換する仕組みとして理解し、プライベートIP・グローバルIP・ポート番号との関係を説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。