仕組みを知る

基地局とは?スマホの電波が街から届く仕組みと役割

基地局は、スマホと電波でやりとりし、通信会社のネットワークへつなぐ設備です。その先は光ファイバーなどの有線が中心ですが、無線中継もあります。範囲を重ねて配置する理由まで見ていきます。

基地局とは?スマホの電波が街から届く仕組みと役割

30秒でわかる答え

基地局とは?

スマホの電波が同じまま目的地まで飛んでいく。 基地局は、スマホと電波でやりとりし、通信会社のネットワークへつなぐ設備です。 その先は光ファイバーなどの有線が中心ですが、無線中継もあります。

一文定義
スマホの電波が同じまま目的地まで飛んでいく

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

データ
コンピューターが扱う情報。文字、画像、音、動画、Webサイトもデータとして扱われます。
インターネット
世界中のコンピューターやサーバーをつなぐ大きなネットワークです。
光ファイバー
光の信号で大量のデータを遠くまで運ぶ細いケーブルです。
Wi-Fi
ケーブルを使わず、電波で端末をネットワークにつなぐしくみです。

ピコ

上から見て。ユイのスマホの電波は、あの屋上の基地局まで飛んでるよ

ユイ

そこから先も、電波のまま海のむこうまで飛んでいくんですよね?

基地局とは、スマホと電波でやりとりし、通信会社のネットワークへつなぐ設備です。ビルの屋上、鉄塔、電柱の上などに置かれます。スマホのアンテナ表示は、接続候補となる基地局からの電波状態を見る手がかりです。

ここで整理したいのは、手元のスマホから世界中のサーバーまで一つの電波で飛ぶわけではないことです。スマホは基地局と無線でつながり、その先は光ファイバーなどを中心とする通信会社のネットワークへ引き継がれます。設備や地域によっては、基地局側の中継に無線を使う区間もあります。

この入口から世界の道へ広がる様子は、第69話「インターネットはどこまで広がる?」で先に見られます。

基地局の役割を一言でいうと

基地局の役割は、スマホとの無線区間を通信会社のネットワークへつなぐ乗り換え地点になることです。

スマホは、ケーブルを挿さずに通信します。基地局はその電波を受け、携帯電話網の設備へデータを渡します。基地局から先は光ファイバーなどの有線が中心ですが、構成によって無線中継も使われます。大切なのは、手元の無線区間と、その先の広域ネットワークを分けることです。

ピコルート・ラボの窓から見える鉄塔も、その一つです。見た目はただの鉄の柱ですが、そこがスマホにとっての玄関口になっています。データがその先どう運ばれるかは データ通信の仕組み で追えます。

街灯のたとえで見る、届く範囲の重ね方

たとえでいうと、基地局は街に立つ街灯です。1本の街灯で街全体を照らすことはできません。だから、届く範囲が少しずつ重なるように、間隔を置いて並べます。

  • 1本の届く範囲には限りがある
  • 範囲の端は暗くなる(電波が弱くなる)
  • 隙間を作らないよう、範囲を重ねて配置する
  • 明るくしたい場所ほど、密に並べる

ただし実際には、街灯と違って基地局は双方向です。照らすだけでなく、スマホからの電波を受け取ってもいます。さらに、光は壁で止まりますが、電波は壁をある程度通り抜けながら弱まっていきます。この「弱まりながら通る」性質が、圏外になるのはなぜ? で扱う場所ごとの差につながります。

電波が届いたあとの流れはどうなる

スマホから出た電波が基地局に届いたあと、データは次のように進みます。

  1. スマホが電波で基地局へデータを送る
  2. 基地局が受け取り、通信会社の中継網へ渡す
  3. 携帯電話会社の設備を通り、インターネットへ出る
  4. 光ファイバーなどを中心とする経路で目的のサーバーへ進む
  5. 返ってきたデータもネットワークを通ってスマホへ戻る

画面のむこう側では、この2番目で手元の無線区間から広域ネットワークへ切り替わります。海外のサイトを見るときは、その先の経路に海底ケーブルが含まれることもあります。

ピコ

基地局から先は、主に光ファイバーなどの広い通信網へ入るよ

ユイ

スマホから見える無線は入口なんですね。ノートに書き直します

電波で世界まで飛ぶという誤解

よくある誤解が、スマホの電波が同じまま目的地まで飛んでいくという見方です。実際にはスマホが基地局へ無線で接続し、その先は通信会社とインターネットの複数設備へ引き継がれます。

この誤解を持ったままだと、いくつかの現象が説明できなくなります。

現象電波が世界まで飛ぶ説では実際の説明
山の上でも圏外になる遮るものがなく届くはず近くに基地局がない
海外のサイトも普通に見られる電波が届く距離を超えている基地局から先は広域ネットワークへ入る
同じ場所で人が増えると遅い電波の強さは変わらないはず基地局を分け合っている

無線区間と有線区間を分けて考えると、この3つがすべて同じ地図の上で説明できます。回線の入口が二つある話は モバイル回線とWi-Fi とつながります。

移動中に基地局が入れ替わる仕組み

電車で移動しながら通話していても、途中で切れないことがあります。1つの基地局の範囲を出るとき、次の基地局へ受け渡されているからです。

街灯の下を歩くとき、1本目の明かりが弱くなるころ、2本目の明かりが届き始めます。重なりがあるから、暗闇を通らずに歩けます。基地局も同じ考え方で配置され、端末は近くの電波の強さを見ながら相手を替えていきます。

ただし、受け渡しがうまくいかない場合もあります。トンネルに入る、地下へ降りる、山の裏側へ回るなど、次の相手が見つからない場所では通話が切れることがあります。移動中に切れやすい場所があるのは、この受け渡しの隙間が理由になっている場合があります。

街と山で密度が違うのはどこの話か

基地局の数は、場所によって大きく違います。理由は、届く範囲と使う人の数の両方にあります。

  • 街なか: 建物が遮るうえ、使う人が多い。範囲の狭い基地局を密に置く
  • 郊外や山間部: 遮るものは少ないが、使う人も少ない。広めの範囲を少ない数で受け持つ
  • 屋内や地下: 外からの電波が届きにくいため、専用の設備が置かれることがある

ここで大事なのが、1つの基地局を同時に使う人が増えると、通信の余裕を分け合うことです。イベント会場でつながりにくくなるのは、電波が弱いからではなく、同じ窓口に人が集中しているためである場合があります。

だから、街なかで基地局が密に並んでいるのは、電波が届かないからだけではありません。1本あたりが受け持つ人数を減らす意味もあります。街灯を増やす理由が「暗いから」だけでなく「通る人が多いから」でもあるのと似ています。

近所で基地局を探すワーク

通勤路や近所を歩きながら、それらしい設備を探してみてください。特徴を3つ挙げます。

  • ビルの屋上に立つ、細長い板状や筒状のアンテナ
  • 鉄塔の上部に、複数の方向へ向いた機器がついているもの
  • 電柱の上に、箱と小さなアンテナが組み合わさっているもの

見つけたら、そこから自分の家までの距離と、あいだにある建物を思い浮かべてください。電波の強さの理由が、風景として見えてきます。ラボの近くを歩いたユイは、毎日通っていた道に3つ見つけたそうです。

基地局から進む記事

基地局を知ると、街の風景が少し変わります。屋上の細長い板が、自分のスマホの話し相手だと分かるからです。

手元の無線は最初の入口です。その先では、光ファイバーを中心とする通信網が長い道のりを支えています。

ミニクイズで基地局を言い直す

Q1. 基地局の役割を一言でいうと何ですか?

A. スマホとの無線のやりとりを受け取り、通信会社のネットワークへつなぐ乗り換え地点です。

Q2. スマホの電波は目的のサーバーまで飛びますか?

A. 同じ電波のまま目的地まで飛ぶわけではありません。基地局から通信会社の中継網へ入り、光ファイバーなどを中心とする経路を進みます。

Q3. 街なかに基地局が多いのはなぜですか?

A. 建物が電波を遮るうえ、使う人が多いためです。狭い範囲を重ねながら密に置きます。

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「基地局がスマホと電波でやりとりする設備であり、その先は光ファイバー中心の通信網へ続きつつ、無線中継区間もあり得ると説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。