仕組みを知る

オンラインゲームで友だちとつながる仕組み|子どもへの説明

離れた友だちと同じ画面で遊べるのは、おたがいの機械が直接つながっているからではなく、多くの場合まん中のサーバーを経由して操作を配り合っているから。教室のホワイトボードのたとえで、子どもへの説明の言葉をそろえます。

オンラインゲームで友だちとつながる仕組み|子どもへの説明

30秒でわかる答え

オンラインゲーム 仕組み 子どもとは何ですか?

おたがいの機械が直接つながっているからではなく、多くの場合まん中にあるサーバーが、全員の操作を受け取って全員に配り直している。 教室のホワイトボードのたとえで、子どもへの説明の言葉をそろえます。

一文定義
おたがいの機械が直接つながっているからではなく、多くの場合まん中にあるサーバーが、全員の操作を受け取って全員に配り直している

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

サーバー
データを保存したり、ほかの端末に届けたりする役割を持つコンピューターです。
クライアント
サーバーにお願いを出す側。ブラウザやスマホアプリがクライアントになることがあります。
リアルタイム通信
チャットやライブ配信のように、ほぼその場で情報を届ける通信です。
レイテンシ
データが届くまでなどにかかる遅延時間です。片道・往復など、測る区間を分けて考えます。
データ
コンピューターが扱う情報。文字、画像、音、動画、Webサイトもデータとして扱われます。

離れた友だちと同じ画面で遊べるのは、おたがいの機械が直接つながっているからではなく、多くの場合まん中にあるサーバーが、全員の操作を受け取って全員に配り直しているためです。

子どもの疑問は、たいてい「電波が友だちの家まで飛んでいるの?」という形で出てきます。実際に起きているのは、もっと事務的なやり取りです。ここを整理しておくと、ラグの話も、通信量の話も、そのまま同じ絵の上で説明できます。

ラボのホワイトボードでたとえると、オンラインゲームは教室のまん中に置かれた1枚の共有ボードです。全員が自分の席から書き込み、全員が同じ板を見ている。友だちと机がくっついているわけではありません。

操作が行って戻る時間を物語で先に見たいときは、第29話「レイテンシって何が遅れているの?」の往復時計が入口になります。

つながる仕組みを先に一言で

子どもに渡す一文は、これで足ります。

ゲーム機は、まん中にいる係の人に「こう動いた」と伝えてる。係の人が、それをみんなに配ってる。

この一文の中に、往復と、まん中の存在と、配られていることが入っています。あとは、この絵に部品を足していくだけです。

インターネット全体の役割分担から確認したい場合は、子ども向けインターネットの仕組みで端末・入口・住所・荷物・相手の5つに分けておくと、ゲームの相手が「返事をくれる相手」の位置に来ることが見えます。

友だちの端末と直接つながってはいない

子どもがまず思うのは、「ぼくのゲーム機と、友だちのゲーム機が線でつながっている」という絵です。素直な発想ですが、多くのオンラインゲームでは少し違います。

友だちの家の住所を、こちらのゲーム機が知っているわけではありません。おたがいが、同じサーバーに接続しています。全員がまん中を向いていて、横同士は直接向き合っていない状態です。

子どもの予想多くの場合の実際
自分の機械と友だちの機械が直接つながっているそれぞれが、まん中のサーバーへつながっている
電波が友だちの家まで飛ぶ自分の家からインターネットの道を通り、サーバーまで届く
友だちの動きが直接見えているサーバーから届いた情報を、自分のゲーム機が画面に描き直している

ゲームの種類によっては、端末同士が直接やり取りする方式が使われる場合もあります。ただし、大人数で遊ぶゲームや、順位や記録が残るゲームでは、まん中に立つ仕組みがあるほうが自然です。だれかの機械の言い分だけでは、公平な判定ができないためです。

共有のホワイトボードというたとえ

教室のまん中に、大きなホワイトボードが1枚あると考えます。

  • 全員が自分の席から、ボードに「ぼくはここへ動いた」と書き込む
  • ボードには、全員の書き込みがまとめられている
  • 全員が、自分の席からそのボードを見ている
  • 席が遠い人ほど、書き込みが反映されて見えるまで、少し時間がかかる

たとえでいうと、これがオンラインゲームの形です。ただし実際には、ボードにあたるサーバーは、全員の操作を受け取り、ぶつかりや順番を判定して、その結果をそれぞれの端末に送り返しています。単なる掲示板ではなく、審判も兼ねた板だと考えると近くなります。

子どもに聞かれたら、「机をくっつけてるんじゃなくて、まん中の板を全員で見てるんだよ」と言えます。この言い方だと、次のラグの話まで一続きになります。

サーバーはどこで何をしているのか

まん中の板は、教室にはありません。データセンターと呼ばれる建物の中に置かれた、サーバーというコンピューターです。

サーバーがしていることを分けると、だいたい3つです。

  1. 全員の操作を受け取る(だれが、いつ、どう動いたか)
  2. その結果を決める(当たったのか、先に着いたのはだれか)
  3. 決まった結果を、全員の端末に送り返す

このやり取りが、遊んでいる間ずっと、細かくくり返されています。届いたそばから処理して、すぐ返す。この止まらないやり取りの考え方は、リアルタイム通信とはで扱う形と同じです。

イト

じゃあ、ぼくの操作は一回どこかに集まってから、みんなの画面に配られるんだ

ピコ

そう。その集まる場所までの距離と混み具合が、ラグの正体につながるよ

操作が相手の画面に出るまでの流れ

ボタンを押してから、友だちの画面に反映されるまでの順番を並べます。

  1. 手元のゲーム機が「右へ動いた」という操作の情報を作る
  2. その情報が、家のルーターから外の道へ出る
  3. インターネットの道を通って、サーバーに届く
  4. サーバーが結果を決めて、参加者それぞれに送り返す
  5. 友だちのゲーム機が、届いた情報をもとに画面を描き直す

画面のむこう側では、この5段が一瞬でくり返されています。5段のどこかに引っかかりがあると、その分だけ遅れます。ここまで来ると、子ども自身が次の疑問を出せます。「じゃあ、遠い国の人と遊ぶと遅くなるの?」。いい疑問です。

ラグが生まれるのは遅い道があるから

ラグが出ても、必ずしも機械の故障とは限りません。多くの場合は、往復に時間がかかる場所や通信の揺らぎが関係します。ただし、端末やルーターの不調も候補には残ります。

  • 家からサーバーまでの距離が遠い(海外のサーバーなら、その分の往復時間がかかる場合がある)
  • 途中の道が混んでいる(時間帯や、家族の同時利用で変わることがある)
  • 家の中の電波が弱い(ルーターから遠い、障害物がある)
  • サーバー側にたくさんの人が集まっている
  • ゲーム機やアプリの処理が追いつかない

「相手が近くにいる感じ」は、画面の上で再現されたものです。実際には、全員がまん中を経由して情報を送り合っていて、そこには小さな時間差があります。ふだんは気づかないほど短いだけです。ラグの原因を一つずつ切り分けるなら、オンラインゲームのラグはなぜ起きる?で確認の順番をたどれます。

イト

離れてる友だちと同じ画面で遊べるの、なんで?オンラインゲームって不思議

ピコ

友だちの機械と直接つながってると思ってる?そこが少しずれているよ

マコト

イトの操作は、どこかを通ってから友だちの画面に出ている。そこを見に行こうか

親子で言い合うワークとクイズ

親子で、ボタンを押してから友だちの画面に出るまでを、順番に1段ずつ言い合ってみてください。片方が「ボタンを押す」と言ったら、もう片方が「情報がルーターから出る」と続けます。

止まった場所が、説明のうすい場所です。たいていは3段目と4段目、つまり「サーバーで何が起きたか」で止まります。そこだけ、もう一度言葉にしてみます。

Q1. 友だちのゲーム機と、直接つながっているのですか?

多くの場合は違います。それぞれがまん中のサーバーへつながり、サーバーが操作を配り直しています。

Q2. なぜラグが起きるのですか?

操作がサーバーまで行って戻ってくるのに時間がかかるためです。距離、混雑、家の中の電波、サーバー側の混み具合などで変わります。

Q3. 画面の中で友だちが横にいるように見えるのはなぜですか?

サーバーから届いた情報をもとに、自分のゲーム機が友だちの動きを描き直しているためです。

ゲームのつながりから進む記事

まん中の板が見えたら、その板の正体へ進みます。

イトはコントローラーを置いて、しばらく画面を見ていました。友だちは、あの向こうにいる。ただし、まん中の板を一枚はさんで。

操作はサーバーで出会い、画面へ返る

ボタン操作はネットを通ってゲームのサーバーへ届き、ほかの人の操作と合わせた結果がそれぞれの画面へ返ります。「みんなのゲーム機が一本の線で直結している」のではありません。子どもには、先生役のサーバーが全員の動きをまとめる教室にたとえると流れを伝えやすくなります。

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「オンラインゲームで離れた友だちと遊べるのが、サーバーを経由した操作のやり取りであることを、子どもに説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。