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オンラインゲームのラグはなぜ起きる?原因を4つに分けて見る

オンラインゲームのラグは犯人が一人ではありません。相手との距離、家の中の電波、回線の混雑、サーバー側の4つが混ざって起きます。カクつきと飛びと重さを分け、近い場所から確かめる順番を区別して考えます。

オンラインゲームのラグはなぜ起きる?原因を4つに分けて見る

30秒でわかる答え

オンラインゲームのラグはなぜ起きる?

相手との距離・家の中の環境・回線の混雑・ゲームのサーバー側という4つの原因が、混ざって起きています。 オンラインゲームのラグは犯人が一人ではありません。 カクつきと飛びと重さを分け、近い場所から確かめる順番を区別して考えます。

一文定義
相手との距離・家の中の環境・回線の混雑・ゲームのサーバー側という4つの原因が、混ざって起きています

TERM PRIMER

先に知っておく言葉

パケット
大きなデータをインターネットで運びやすくするために分けた小さなかたまりです。
ping
通信相手までどれくらい速く返事が来るかを調べるための確認方法です。
レイテンシ
データが届くまでなどにかかる遅延時間です。片道・往復など、測る区間を分けて考えます。
ルーター
データの行き先を見て、次にどの道へ送るかを決める機器です。
Wi-Fi
ケーブルを使わず、電波で端末をネットワークにつなぐしくみです。

オンラインゲームのラグは、相手との距離・家の中の環境・回線の混雑・ゲームのサーバー側という4つの原因が、混ざって起きています。犯人が一人だけいるわけではありません。

さらに、ラグと呼ばれている現象そのものが一つではありません。カクつく、一瞬飛ぶ、全体が重い、自分だけ遅い。どれも同じ言葉で呼ばれますが、疑う場所は別々です。まず症状を分けて確認し、近いところから順に見ていきます。

往復の遅れを時計として先に体感したい場合は、第29話「レイテンシって何が遅れているの? 往復時計を見よう」から入れます。この記事では、その遅れがゲーム画面へ出る原因を4か所に分けます。

ラグがなぜ起きるかを一言でいうと

ラグとは、自分の操作が相手に届き、相手の状況が自分に戻ってくるまでの「ずれ」が、見えるかたちで表に出た状態です。

通信には、どうしても時間がかかります。その遅れそのものをレイテンシと呼びます。遅れがごく小さくて安定していれば、人はラグとして感じません。遅れが大きくなったり、一定せずに揺れたりしたときに、画面が引っかかったように見えます。

つまりラグは、ゼロにする対象というより、小さく安定させる対象です。この見方に立つと、「回線を変えれば全部直る」という発想からいったん離れられます。

もう一つ知っておきたいのは、対戦ゲームの多くが、遅れをある程度見越して作られていることです。少し先の動きを予測して表示したり、届いた情報に合わせて位置を静かに直したりします。相手が急にワープして見えるのは、その修正が表に出た瞬間である場合もあります。壊れているのではなく、つじつまを合わせにいっている状態です。

イト

今の負けたの、ラグのせいだよ!ぼくは何も悪くないもん!

マコト

うん、それもありえるね。じゃあ今のラグがどれだったのか、一緒に見てみようか

伝言ゲームで見るラグの正体

たとえでいうと、オンライン対戦は少し遅れた伝言ゲームに似ています。

あなたが「今だ」と思ってボタンを押す。その操作は言葉になって、隣へ、また隣へと渡っていきます。相手のところに着くころには、少し時間が経っています。相手の返事も、同じだけ時間をかけて戻ってきます。往復しているあいだに、盤面は動き続けています。

ただし実際に渡されているのは、人の声ではなくパケットと呼ばれる小さなデータです。操作や位置の情報が細かく分けられ、ルーターを通り、ゲームのサーバーに届き、そこから相手へ配られます。画面のむこう側では、この受け渡しが1秒に何十回も繰り返されています。

伝言の列が長ければ遅れます。誰かが聞き取れずに一言落とせば、話が飛びます。列そのものが混み合えば、全体が重くなります。落とし物のほうは パケットロスとは で扱っている現象で、遅れとは別の合図です。

原因1: 自分と相手の距離

一つ目は、距離そのものにかかる時間です。

サーバーが遠いほど、往復に時間がかかります。これは設定でどうにかする話ではなく、信号が進むのに時間がかかるという物理的な事情です。光ファイバーの中を進む信号も、無限に速いわけではありません。地球の反対側にあるサーバーとやり取りすれば、往復の遅れは避けられない幅で残ります。

だからこそ、サーバー地域を選べるゲームでは、近い地域を選ぶと体感が変わる場合があります。反対に、遠い地域のサーバーに入っているときは、家の機器をいくら見直しても、この分の遅れは縮みません。

距離の目安を数字で見たいときは、往復時間を測る pingとは が入口になります。

なお、距離はまっすぐの直線距離とは限りません。データは道路のように敷かれた経路をたどるため、地図の上では近くても、通る道が遠回りになっている場合があります。同じ国内のサーバーでも数字に差が出るのは、こうした事情が混ざるためです。

原因2: 家の中の電波と同時利用

二つ目は、家の中です。

ここは、いちばん自分で動かせる場所でもあります。Wi-Fiは電波で届いているため、距離や壁、家具、他の電波の影響を受けます。電波が弱いと、届かなかったデータを送り直すことがあり、そのぶん遅れや揺れが増えます。

  • ルーターから遠い部屋、または壁を何枚もはさむ位置で遊んでいる
  • 同じ時間に家族が動画やストリーミングを大きく使っている
  • 端末やルーターが長く動き続けていて、処理が重くなっている
  • 近所の無線と電波の通り道が混み合っている

家の中が原因のときは、症状が「部屋を変えると変わる」「時間を変えると変わる」という形で出やすくなります。

イト

じゃあ、ぼくが撃った瞬間って、相手の画面ではもう終わってたってこと?

マコト

そういうことが起きる場合はあるね。だから、遅れと飛びは分けて見るんだ

原因3: 回線の混雑と時間帯

三つ目は、家の外に出たあとの道の混み具合です。

夕方から夜にかけて、多くの人が同時にネットを使います。集合住宅では、建物の中で通信を分け合う作りになっている場合もあります。道が混めば、荷物の到着はばらつきます。速度の数字が悪くなくても、遅れが揺れることがあります。

混雑が原因のときは、「昼は快適なのに夜だけ崩れる」といった時間帯の差が手がかりになります。ラボの古いルーターで試したときも、同じ部屋・同じ設定なのに、夜だけ数字が伸びる日がありました。

原因4: ゲームのサーバー側と相手側

四つ目は、自分の外側です。

ゲームのサーバーが混んでいる、メンテナンス前後で不安定になっている、あるいは対戦相手の回線が悪い。こうした場合、自分の環境をどれだけ整えても、画面はカクつきます。相手がワープするように見えるとき、原因が相手側にあることもあります。

自分だけが体感しているのか、周りも同じなのか。ここを見分けると、無駄な機器の買い替えを避けられます。フレンドと一緒に遊んでいるなら、同じ場面で相手も引っかかったかを聞くのが、いちばん早い確認になります。全員に出ているなら、家の中を触っても変わりません。

サーバー側の不調は、時間が解決する場合もあります。人が集中する時間帯やアップデート直後は、しばらく様子を見るという選択も現実的です。

決めつけを避ける切り分けの順番

原因を一つに決めてしまうと、遠回りになります。まず、起きた症状を4つに仕分けます。

症状画面での見え方疑いやすい場所
カクつく動きが小刻みに引っかかる家の中の電波、端末の処理
一瞬飛ぶ相手や自分がワープするデータの落とし物、無線の不安定さ
全体が重いずっと反応が遅い距離、回線の混雑
自分だけ遅い周りは普通に動いている自分側の環境や機器

同じ「ラグい」でも、出ている合図は違います。右の列は、あくまで疑いやすい場所です。複数が同時に起きることもあります。

そのうえで、近い場所から順番に確認していきます。

  1. どの症状だったかをメモする(カクつく・飛ぶ・重い・自分だけ)
  2. 他のゲームや動画でも起きるかを見る
  3. ルーターの近くで、または有線で試して変わるかを見る
  4. 時間帯を変えて、同じ症状が出るかを比べる
  5. サーバー地域や、周りのプレイヤーの状況を確認する

ここで大切なのは、一回の体感で結論を出さないことです。一度の勝負で起きた引っかかりは、たまたまの可能性もあります。数字の見方は ゲームのpingが高い原因は? で細かく追えます。

この順番には理由があります。上のほうほど、お金がかからず、すぐ試せて、結果がはっきり出るからです。回線の契約を変えるのは、いちばん時間もお金もかかる手です。それを最初に選ぶと、原因が家の中や相手側だった場合に、何も変わらないまま費用だけが増えます。

ラグ仕分けワークとミニクイズ

直近で「ラグい」と感じた場面を一つ思い出し、次の一行を埋めてみてください。

あのラグは、____(カクつく/飛ぶ/重い/自分だけ)だった。だから最初に疑うのは____。

書き出した症状が「重い」なら距離や混雑、「飛ぶ」なら落とし物、「カクつく」なら電波や端末、「自分だけ」なら自分側の環境から見ていきます。3回分たまると、自分の家の癖が見えてきます。

Q1. ラグの原因は一つですか?

A. 一つとは限りません。距離、家の中の環境、回線の混雑、サーバー側などが混ざって起きます。

Q2. 遠いサーバーの遅れは、機器を替えれば消えますか?

A. 消えません。距離の分の往復時間は残るため、サーバー地域の選択が効く場合があります。

Q3. 「飛ぶ」と「重い」は同じ原因ですか?

A. 違うことがあります。飛ぶのはデータが届かない合図、重いのは遅れそのものの合図です。

ラグの原因から進む記事

症状を4つに分けられたら、次は数字と接続方法で確かめる番です。

負けた直後は、原因を一つに決めたくなります。けれど画面のむこう側では、距離と電波と混雑とサーバーが同時に動いています。どれだったのかを分けて言えるようになると、次の一戦の前にできることが見えてきます。

ラグの犯人を、四つの場所に分ける

ラグは一人の犯人ではなく、相手までの距離、宅内のWi-Fiや機器、回線の混雑、ゲームサーバー側のどこでも起こりえます。まず有線またはルーター近くで同じゲームを試し、ほかの利用者の報告と比べると、自宅側か外側かを一段ずつ絞れます。

LAB WHITEBOARD

自分の言葉で説明してみよう

「ラグを距離・宅内環境・回線混雑・サーバー側の4つに分け、症状ごとに切り分けの順番を説明できるようになる。」を、いまの自分の言葉で一文にしてみてください。途中の説明でも大丈夫です。